ディープテックスタートアップの創業には、多くの場合、研究開発や設備投資などに多額の資金が必要です。しかし、資金調達の壁を乗り越えるためには、エンジェル投資家の力を借りることが有効な手段となります。本記事では、ディープテック領域に特化したエンジェル投資家と出会うための実践的な方法をご紹介します。
1. ネットワークイベントやカンファレンスに参加する
ディープテック領域に関心を持つ投資家は、業界イベントやカンファレンスに積極的に参加しています。以下のようなイベントで直接コミュニケーションを取る機会を作りましょう:
- IVS (Infinity Ventures Summit):国内外の起業家や投資家が集まるイベント。
- TechCrunch Disrupt:世界的に有名なスタートアップイベント。
- DeepTech Summit:ディープテック領域に特化。
- JAPAN DeepTech Forum:国内のディープテック系起業家や投資家が集結。
- Plug and Play Japanの各種イベント:ディープテック・IoT分野に特化したピッチイベント多数。
2. オンラインプラットフォームを活用する
エンジェル投資家はオンラインでも活動しています。以下のプラットフォームに登録して情報を収集し、アプローチしてみましょう:
- AngelList:スタートアップ投資に特化したグローバルプラットフォーム。
- Startup DB:日本のスタートアップデータベース。
- LinkedIn:超伝導やディープテック、量子コンピュータなどで検索。
- Crunchbase:投資家や競合スタートアップの情報収集に最適。
- FiNANCiE:トークンエコノミーを活用するスタートアップの集まり。
- AngelBridge:国内エンジェル投資家の情報が得られる。
3. アクセラレーターやインキュベーターに参加する
アクセラレーターやインキュベーターは、創業初期のスタートアップに資金支援やメンタリングを提供します。以下はディープテック領域に強いプログラムです:
- Deepcore(ソフトバンク系):AI・ディープテック支援。
- Tohoku University Venture Partners (THVP):東北大学関連の研究成果を活用したスタートアップ支援。
- Plug and Play Japan:ディープテック・IoT領域で多数の支援実績。
- Incubate Fund:シード・アーリー期への投資で知られる。
- 500 Global:グローバルなアクセラレーターでネットワーク構築に最適。
4. 大学・研究機関のネットワークを活用
ディープテックの強みは、大学や研究機関の知見を背景にしていることです。研究機関のネットワークを積極的に活用しましょう:
- 産学連携本部(URAオフィス):共同研究や大学発ベンチャー支援窓口。
- 科学技術振興機構 (JST):研究成果の社会実装支援。
- 東北大学ベンチャーパートナーズ(THVP):東北大学発スタートアップを支援。
- 科学技術コミュニケーションイベント:研究発表会に投資家が来ることも。
5. VC・CVC経由でエンジェル投資家を紹介してもらう
ディープテック領域ではVC・CVCとの連携も重要です。以下のVCはディープテックに注力しています:
- ANRI:ディープテックやバイオ系への投資。
- Abies Ventures:ディープテック特化型VC。
- Real Tech Fund:リアルテック領域での支援が豊富。
VCが出資後にエンジェル投資家を紹介してくれる場合も多いため、積極的に相談してみましょう。
6. コミュニティに所属する
ディープテック領域の投資家や起業家が集まるコミュニティに参加し、関係性を築くことも効果的です:
- 日本ディープテックスタートアップ協会(JADTA)
- OneShip(起業家・投資家の交流が活発)
- Startup Lady Japan(女性起業家コミュニティですが、男性参加も可能)
7. 行政や公的支援を活用する
公的機関によるスタートアップ支援も活用できます:
- J-Startup(経済産業省):有望スタートアップに選定されると支援を受けられる。
- NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構):研究開発資金の支援やイベント開催。
- 地方自治体の産業振興課:スタートアップ支援制度を活用。
エンジェル投資家にアプローチする際のポイント
- 研究成果や技術のわかりやすいストーリーを用意する
- 技術的に優れていても、非専門家には伝わりづらいことが多いため、社会インパクトを強調しましょう。
- 大学発技術の信頼性を強調する
- 大学や研究機関の研究成果であることを示すと、信頼度が上がります。
- 資金の使途や成長戦略を明確にする
- 3年間で3億円を調達する計画がある場合、その資金をどのように活用するか具体的に示しましょう。
- 応用領域と社会的インパクトをアピールする
- 例として、医療機器や量子コンピュータなど、具体的な応用先を提示します。
- 長期ビジョンを示す
- 超伝導技術の発展が社会にもたらす変革を投資家と共有しましょう。
まとめ
ディープテック領域での資金調達は、研究開発の重要性を理解する投資家を見つけることがカギとなります。本記事で紹介したイベントやプラットフォーム、ネットワークを積極的に活用し、エンジェル投資家と出会う機会を増やしましょう。未来を切り拓くディープテックスタートアップが、次の大きな革新を生むことを願っています。
Fioraは、ディープテックスタートアップの挑戦を全力で応援しています。